PAR AVION ~from Australia

オーストラリア・シドニーから日々感じた事

タスマニアの家から見た景色

もう2月ですね。。。え?1月はどこに行ったの?って感じです。職場で毎年クリスマスパーティーがあって、みんなでちょっと豪勢なディナーに行くのですが(お会計はオーナー持ち)昨年は私と他のスタッフも早めにホリデーを取った関係で、クリスマス会じゃなくて新年会にしようって事になったのですが、すでに1月終わってるし。「2月中にレストラン予約して新年会やるから!そうじゃないと、今年のクリスマスパーティーが来ちゃう!」ってマネージャーが言っていました。本当、1年なんてあっという間です。

 

去年の今頃、私にとって1年前はすでに遠い過去みたいな気持ちになりますがタスマニアのホバートに住んでいたのです。混沌としながら。(笑)シドニーに帰りたいと言う気持ちは芽生えていたのですが、タスマニアへの引っ越しがあまりにも大変すぎて(海外引っ越し、日本に帰国して戻って来た時と同じくらいの大変さでした。金額もすごかった)そんな大変な事をもう一度やる元気が無いくらい心身ともに弱っていました。今こうして元気にシドニーで暮らせている事が夢のようです。

 

ホバートで暮らしていた時に借りたお家が、おそらく私の人生で一番になるのでは?と思うくらいの素晴らしいお家でした。West Hobartの4ベッドルームの2階建ての1軒家で、ホバート湾が全て見渡せる眺望のお家で、家の中はフルリノベートされていたので、キッチンもバスルームも新品で、住んでるの2人なのに3つもバスルームがあった!庭は広過ぎて、雇われたガーデナーが来ていました。家賃が高いから、最初からそこは1年だけ借りるつもりだったのです。期間限定なら人生で思い出になるような素晴らしい眺めのあるお家に住んでみたかったのです。1年以内にホバートで家を買うつもりにしていたのですが、半年もタスマニアに居られなかったから、賃貸にしていて良かったです。最初から家を買っていたら、もうシドニーには戻って来れなかったと思います。

 

そこのお家から見る朝日は素晴らしかった。だんだん夜が明けていくのがリビングルームから見えるのです。

 

ここからの眺めは、半分以上が空!って感じで、いつも空が近く見えていました。だんだん空の色が変わって、

 

空が燃えてるように真っ赤になって、

 

朝陽が海の向こうに昇って行くのが毎日家の中から見えるのです。タスマニアの引っ越しを夢見ていた時、もっと自然を身近に感じられる生活がしたかったのです。ノーザンビーチズでも自然はいっぱいあるけれど、シドニー自体は人口が年々増加して、道は車で溢れているし、ショッピングセンターの駐車場も混み混みだし、こんな人が多いところに住むより、自然に囲まれたタスマニアでの生活の方が、残りの人生を過ごすのに良いに決まってる!と考えていたのです。家を買うにしても、シドニーだったらこんなオーシャンビューの家なんて、宝くじに当たらない限り住めないですからね。

住む家が良くても幸せにはなれない。やってみないとわからないもんですね。

 

シドニーにいた時に考えていたタスマニアでの生活は、ただの理想で、現実にそれが目の前にあると本当の喜びや安心や満足は、自分が考えていたのと違っていたのだと気がついたのです。自分にとって一番大切なものは、すでにノーザンビーチズでの暮らしにあったのだと気がつきました。娘、友達、職場、ノーザンビーチズの海。それ以上の物が、タスマニアの自然と素晴らしいお家に住む事に替えられるものではなかったんだと気がついた時、とんでもない失敗をしてしまったと思い知らされました。なんで失敗するまでわからなかったんだろうって自分と夫を責めました。

 

 

家からは、ホバートの船着場も見えるので、毎日来る豪華客船が見えました。朝早く着いて、夕方6時くらいに出港して行く事が多かったです。おそらく一晩停泊すると停泊費が高くなるから、夜はどうせ寝てるだけだから海の上で過ごすって方針なのでしょうね。でも一晩中停まっている船も時々ありました。きっとお客さんがホバートのレストランでディナーを食べたり、その日ゆっくり観光出来るような予定を組まれてるのもあったのでしょう。クルージングも費用は様々ですからね。

 

お天気が良い時に来る船は良いけど、一日中雨とか、嵐のような日も毎日のように客船が入ってくるので、あ〜、今日のお客さんはかわいそうだなぁとか、ホバートの印象が悪くなるだろうなぁなんて心配したりもしました。今日の客船はどんな船?って見るのが日課になっていましたね。客船が来て欲しかったわけじゃないけど。タスマニアは観光客が落とすお金も重要だったようです。

 

 

窓から虹が見える日も何度もありました。ダブルレインボーが見えて、肩にオカメインコのくーちゃんを乗せて、ほら虹だよ〜って一緒に見てたのを思い出されます。

 

朝陽は海の方に上がるのですが、お月様は正面の街の向こうの丘から昇ってくるのです。月明かりと、街の夜景も綺麗で、シドニーのお友達が夕食に遊びに来てくれた時も、この景色を喜んでくれました。これだけの街明かりがあるなんて、ホバートは意外と都会なんだねぇ〜なんて言っていました。

 

大晦日に、ロンセストンに住んでいるお友達夫婦がホバートに泊まりに来ていて、一緒に夕食をうちで食べていたのですが、「年末の花火がこの家から見えるはずだって不動産屋に言われたんだけど、どこに上がるんだろう?」って話してたら、うちの真正面にボンボン上がりだして、4人でリビングの前の大きなベランダに出て花火を見ることが出来ました。やぁ〜、ここ特等席やん!って言いながら。結局そこから見る年末の花火はあれが最初で最後でしたが。

 

今夜はレッドムーン(赤い月)が見えるって日があって、その日に正面から上がって来た月は、怖いくらい赤かったです。ひゃ〜本当に赤いわ。って驚きましたね。

 

 

シドニーに戻ってから、あまりタスマニアでの写真を見返す事はないのです。

今日はブログに写真をUPしようと思って、久々に見返しました。

友達にタスマニアに引っ越した事をとても後悔してると話したのですが、友達から「あなたはやってみないと納得出来ない性格でしょう?もちろん経済的にはとても出費してしまっただろうし、後悔して苦しんで辛い思いもしただろうけど、やってみて、やっぱりシドニーのノーザンビーチズが良いんだってわかって良かったよ。答えが出たんだから。やってみてなかったら、きっと今でもタスマニアがぁ〜って言ってるよ。それに、タスマニアで短い間でも住めて、そんな経験人生の中で出来たってだけで素晴らしいよ。誰でも出来るわけじゃないんだから。」って言ってもらいました。

前は、「いやいや、誰でも出来てもやらないでしょう。こんな馬鹿な事は。。。正常な考えの人はやらない。」って言ってたんですが、この写真を見てたら、

「そうか〜、どうせ人生は短いし、いつまで続くかわからないけど、私みたいにあちこち引っ越しては戻って来る人生も、なかなかやろうと思って出来るわけじゃないのかも。やって良かった!とは今でも言えないけど、あんなに素晴らしい眺めを毎日見る事が出来るお家に住めただけでも、人生の中で記憶に留められる貴重な体験だったのかもしれない、ってやっと思えるようになりました。失敗だけでなくて、あれはあれで良い思い出に変わって来ているのかもしれない。シドニーに戻って住み始めて10ヶ月が経つ今、やっと受け入れる事が出来た気がしています。

人生、七転び八起き。

起きて前に進んで行かなければ!ですね。