PAR AVION ~from Australia

オーストラリア・シドニーから日々感じた事

中之島美術館と京都の思い出

月曜日から仕事に戻ってます。

3週間仕事の事はほとんど考えなかったので、毎日の業務の事が頭から抜け落ちていました。あれ、インボイスってどうやってプリントアウトしてたっけ?発送の予約ってどの画面から入ってたっけ?数秒固まりましたが、やり始めるとすぐに思い出せたので、あ〜ボケてなくて良かったぁ。って思いました。

車の運転も日本では全くやらないので、3週間で忘れてたらどうしよう。って思ったけど、運転も仕事も身体で覚えていますね。でもこれが2ヶ月とか3ヶ月だったらヤバいかも。

日本での思い出の中で、大阪の中之島美術館に行ったことがあります。

ここ、開館してまだ2年経ってない、新しい美術館なのですね〜。建物もモダンでした。

 

この黒いボックスのような建物。日本の美術館って、無料で見れるのが少ないですよね? 特別展示は仕方ないけど、もう少し無料で見れるエリアにいろんなアートを展示するべきだと思います。オーストラリアは無料で見れるエリアの方が広いし、ボランティアガイドの人も居るから、もっとアートが身近に感じられて良いと思います。

 

この中之島美術館、展示室が2ヶ所あって、どちらも別々に入場料が必要でした。私はこの、テート美術館展にすごく行きたかったので、日本に居る間に見れてとてもラッキーでした。死ぬまでにイギリスのテート美術館に実際行ける日は来ないかもしれないので、大阪で見れて良かったです。

 

ちょっと珍しい?ターナーのデッサンです。ターナーの名前って、私にとってすごく親近感があるのです。なぜだろう?って考えたら、高校生の時にアートクラスに通っていて(この時は美術大学の入学を目指していて、美大の入試試験の為に通っていました。)先生から指定されて買って使っていたアクリル絵の具の名前がターナーだったのです。でもこの絵の具、日本の会社の製品でした。この会社の社長がジョセフ・ウィリアム・ターナーのファンで、ターナーの名前から取ったそうです。

 

ターナーってこの時代の最先端を行っていたと思いますよ。作品を抽象的に描く事が出来た人ですから。この作品のタイトルは『湖に沈む夕日』ターナーは寒色と暖色、光と闇を対比することで、束の間の大気の効果をとらえたそうです。わぁ〜、さすがだ。

 

ジョン・マーティンの『ポンペイとヘルクラネウムの崩壊』ってタイトルです。1822年の油絵の作品ですが、これものすごい迫力なんですよ。細部まで描かれていて、人々が恐怖の表情で必死に火山の噴火から逃げている様子が描かれていて。結構大きな作品でめちゃ迫力でした。

 

私が個人的に好きだったのが、このジョン・エヴァレット・ミレイの『露に濡れたハリエニシダ』って絵なんですが、この奥行きの素晴らしいこと。手前のシダに露があたって、めっちゃキラキラしっとりした感じが伝わってくるんですが、実物の絵を間近で見ると、結構荒っぽくペイントされているのです。このシダなんて、絵の具をちょんちょんって描いたタッチが大胆で。それなのにちょっと離れて全体を見るとものすごく細かく描き込まれた様に見えて!あんた、天才やな〜。って感心してしばらく正面に立って、近寄ったり離れたりしてずっと見ていました。

 

そしてこれ。なんたって大御所、クロード・モネの『エプト川のポプラ並木』です。モネ先生出てきたら、もうVIPですよ。特別に見えちゃう。モネ先生って言えば連作がお好きというか、多いですよね。異なる光の条件下で同じ主題を何度も描き、時間の経過を書き留めるのがお好き。積みわらのシリーズが有名ですが。このポプラ並木も23点お描きになって、この作品、モネ先生が最もお好きだったと言われてるそうです。この並木シリーズの完成前に、この並木が切り倒されると知って、自らの私財を投じてこの並木の伐採を阻止したそうです。ピーターラビットの作者も湖水地方の保護に私財を投じたそうですが、自然や動物保護に自らの財産を費やして下さるのはありがたいです。

 

そしてなんと言っても今回のこの展示会の目玉というか、タイトルの『光』にぴったりの作品と言えばこの、ジョン・ブレッドの『ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡』ですね。美しいわ〜。

 

ジョン・ブレッドは画家であると同時に天文学者でもあるので、この作品は科学的な観点からもアプローチされているそうです。自身が航海の時に記録した詳細な情報やスケッチを元に描かれたそうです。1871年の作品ですからね。航海の間に、波の様子や、雲の切れ目から光が差した時はどのように見えるか?どこまでも続く海のさざ波を遠近法で表現するにはどのような筆使いが良いのか?とても緻密に考えられて写実的に描かれている感じがしました。

 

 

おっと!こんなところでカンディンスキーと会えるとは!今、シドニーのArt Gallery of NSWで有料展示でカンディンスキーやっています!1月21日から、毎週日曜日に日本語のガイドが付くので、お友達3人で見に行く予定なのですよ。ちょっとフライングして日本でカンディンスキーと会っちゃった!

 

今回の展示会は絵だけではないのです。オラファー・エリアソンの『星くずの素粒子』すごく大きな作品です。ゆっくりと作品が回っているのですが、影が実物に勝るとも劣らない美しさなのです。わぁ〜これの小さいバージョン欲しい〜。家で飾ってクルクルしたい〜ってムスメと話していました。

作品はもっともっとたくさんあったのですが、数点だけ抜粋して紹介しました。

 

 

ちょっと〜!来月からはモネ先生の展示やん〜!行きたいけど行けないわぁ〜。日本は良いねぇ〜。オーストラリアにももっとたくさん来て欲しい。集客数が違うんだろうなぁ。

 

 

今回の日本滞在で一番楽しかったのは、京都でムスメと一緒に着物借りて着て、カメラマンにロケーション撮影してもらった事ですね。後日写真のデータを送ってきてくれたのですが、全部で280枚以上ありました。

この日は曇りのお天気で、カメラマン曰く、曇りの日がベストだそうです。(笑)雨はもちろん最悪だけど、ピカピカの晴天も綺麗に撮れないそうです。最高のお天気ですよ〜。って言ってくれました。それにこの日は京都でもそれほど寒くなかったのです。寒い日は着物は厳しいよね。暑い日の方がもっと大変だけど。

後ろからの写真だけ、載せときます。八坂神社の入り口。

 

ムスメは私より身長が14cm低いのです。。。赤い振袖が似合っていました。

 

この帯の締め方もなかなか可愛いですよね。振袖の場合、帯の締め方ってたくさん種類があるじゃないですか。私も何度か振袖着たけど、毎回帯の結び方が違っていて、着せる人の好きな結び方とか得意とかあるんだろうな。一方をだらりんとするのとか好きじゃないんですよ。私は自分の着付けで精一杯で、ムスメが着せてもらってるところをほとんど見てなかったんだけど、見ていた母が言うには、ベテランさんぽい方がムスメについていて、上手に着付けしてくれていたそうです。髪飾りだけ、私が成人式で付けたものです。

 

撮影が終わった後、母と3人で昼食を食べて、私とムスメは京都に泊まったのですが、母は疲れるからと言って、先に家に帰りました。ムスメと一緒に歩いていたら、ムスメも私も足が痛くなってきて、人力車に乗る事にしました。

 

私達を乗せて走ってくれた人力車のお兄さん。数年前に、オーストラリアのゴールドコーストでワーキングホリデーで暮らしたことがあるそうです。カナダとイギリスにも留学経験があるそうで、海外から日本に戻って仕事を探す時に、英語を使った仕事をしたいと思って選んだ仕事がこの人力車のお仕事だそうです。人力車に乗るお客さん、日本人より海外の人の方が多いそうですよ。いつもは英語で案内してるそうです。京都だからかもしれないけど。私たちにはもちろん日本語で案内してくれました。写真もたくさん撮ってくれました。

京都は本当に海外からの観光客が多いですね。レンタルした着物屋さんのお客さんも、海外の人の方が多くて、着物着て歩いてるのがほとんど海外の人って言うのが、京都なのにそれで良いのか?ってちょっと複雑でしたね。カメラマンの人も、依頼されて撮影するのは最近では海外の人の方が断然多いそうです。オーストラリア人も結構たくさん来ていますよって。

夜、京都駅の近くのホテルで泊まったのですが、そこでもチェックインの時、周りは海外の人の方が多かったです。

京都で接客業は英語話せないとダメな感じです。皆さん慣れた感じで接客していたので、あ〜日本人も英語上手になったんだなぁって感心しました。京都だからかもしれないけど。

 

日本では、母とムスメと一緒にあちこち行けて楽しかったです。母は82歳になるのに一番元気でした。私とムスメはちょっと風邪っぽい日も2日くら位あったのですが、母は全く元気で、私達が帰った次の日からは、卓球クラブに通っていて、昼間電話しても誰も居ない状態です。元気でいてくれる事に感謝です。

 

3週間も休んだので、有給休暇がマイナスになってしまった。。。

 

次のホリデーまで、頑張って働かなくては!