PAR AVION ~from Australia

オーストラリア・シドニーから日々感じた事

NSW Art Gallery のMargel Hinder展は素晴らしい

先日行って来たNSWアートギャラリーの写真の紹介です。

友達とウインヤードで待ち合わせて、10時のオープン前に到着して入りました。入場無料なので、いつでも気軽に行くことが出来ます。

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まずは昨年ハイスクール12年生のHSC生徒の作品から選ばれたアートエクスプレスを見ました。実はうちのムスメも12年生のHSCでビジュアル・アートを選択して、NSW州内でステイトランキングに入って、アートエクスプレスに作品が展示されました。アートエクスプレスの展示の始まりが昨年の2月で、コロナがまだオーストラリアに入って来る前の事だったので、盛大なオープニングセレモニーがあり、アートの先生やハイスクールの教頭先生もお祝いに駆けつけてくれて、とても良い思い出になりました。

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昨年のHSCはコロナ禍の中での作品作り、作品の提出、大変だったと思います。そしてアートは筆記テストもあるんです。生徒達は本当にプレッシャーだったと思います。そんな中で素晴らしい作品を作って、アートエクスプレスに選ばれた生徒の皆さん。本当に嬉しかったでしょうね。苦労が実ったってことです。

 

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ムスメの作品がエクスビションに出た1年前を思い出しました。他の作品はサラ〜っと見て、ムスメの作品が一番イイなぁ〜って親バカ丸出しで見ていたのを思い出しました。アート好きな親からすれば、アートエクスプレスに入るのはある意味、夢ですからね。一生に一度の名誉です。

 

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この作品が一番印象深かったです。遠くで見たら、なんじゃこれ?って思うでしょう。

 

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近くで見たら、これ、1つずつマチ針で鳥の形の紙を挿してあるのです。いったい全部で何千個?何万?バランス良く作られていました。作品の写真のパネル、そして制作過程の動画が展示されていました。ムスメの時もそうでしたが、最近は1つの作品で勝負!ってわけにはいかない様です。複数の作品と、それを違うメディアでも表現する事を求められる様で、先生方も生徒も、相当の時間をかけて作品を作り上げて行かなければいけません。

 

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ビジュアル・アートをHSCに選択するのは相当の覚悟とパッションが無ければ、良い結果が得られない。他の科目よりコミットメントが半端ないってのを痛感しました。ムスメは卒業後の進路にビジュアルアートを選ばなかったけど、趣味としてアートを一生楽しんで行くんだと思います。 

アートエクスプレスも楽しめましたが、やっぱりプロのアーティストは全然違うと思ったのが、新しいエクスビションが地下のエリアで開催されている、Margel Hider展。素晴らしかったです。 

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失礼ながら彼女の事知らなかったのですが、Margel Hinderはアメリカ生まれだけど、オーストラリア人の画家のご主人と結婚されて、オーストラリアに住み活躍された女性モダニスト彫刻家だそうです。制作はオーストラリアで行われたようなので、彼女はオーストラリア人って認識で良い気がします。

 

f:id:Freshie:20210402064428j:plain入ってすぐのこの作品。ゆらゆら揺れて、スポットライトが映し出す影ですら、アート作品なのです。

 

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白い作品が壁に、黒いラインの作品を映し出しています。そしてこれらは、クルクルと回る事によって、たえず違った形を見せてくれるのです。

 

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彼女の作品のたくさんのマケットがガラスケースに入っていて、これだけでも1つの素晴らしい作品のようです。

 

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マケットとは、彫刻の縮尺モデルの事で、私も昔、立体アート作品を作る前に大きな実寸で作らず、小さなサイズでサンプルモデルの様な物を作ってから、色々手直ししたり、先生に意見を聞きながら実寸の作品を作っていました。案外マケットの時の方が可愛らしかったりするんですがね。彼女の作品はどれも独創的ですでに完璧なデザインばかりでした。

 

f:id:Freshie:20210402064846j:plain女性で鋼を材料に選ぶなんて、しかも80年近く前に。写真で見る彼女は、華奢で美しく、きちんと装った上品な女性です。確かに作品も男性的と言うより女性的かもしれないけれど、重く固い鋼を彫刻の材料に選ぶって、素晴らしい。

 

f:id:Freshie:20210402064902j:plainこの作品からは、彼女がキュビズムに関心があったと言うのがわかりますね。現代アートとして今でも充分魅力的。

 

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この作品は、少しうちのムスメの作品と重なる点があります。ムスメの作品も、アクリル板を事前にコンピューターでプログラミングして、レーザーカットして組み合わせ、LEDライトを取り付け、光と共に作品を完成させているのです。私が思いつきもしないやり方でした。アーティストって時間をかけて試行錯誤して行くうちに、作品が育って行くものなんだなぁと感じましたね。

 

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手前の立体作品と、背後の壁にかけられた作品がお互いに呼び合い、一つの作品に仕上がっている様です。

 

作品はまだまだたくさんあるのですが、写真が多くなり過ぎるのでこの辺で。機会があれば是非見に行ってみてください。私ももう一度見に行くつもりです。同じ地下の隣のエリアではNew Australian Art 展も開催中です。ここも無料だし、サラッと見るには興味深い作品がいくつかありました。上の階のアジアンセクションは大改装中だったので、改装後はこれまでと違ったコレクションが来るのかも?楽しみですね。

 

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入り口近くのアボリジニのペインティングが別のものになっていました。今までのいわゆるって感じの色遣いでなくて、ちょっとパステル的な色合いがとても優しくて、モダンに見えました。伝統を守りながら新しいスタイルのアートに挑戦するってすごい。アートギャラリーに行くと、色々インスパイアされて良いですね。

 

アートギャラリーを出て、ウルムルにあるFlour and stonsって言うパンとケーキのお店に行きました。残念ながらテイクアウェイ・オンリーになっていたので、家に買って帰りました。

 

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ランチはそこから近かったので、またチャコ・ラーメンに寄って、ホタテと柚子のラーメンを食べました。柚子の味がしてすごく美味しい。

 

時々Cityに行って文化的なものに触れると刺激になって良いですね。