PAR AVION ~from Australia

オーストラリア・シドニーから日々感じた事

暗幕のゲルニカとクジラ

今週の金曜日まで延長されたロックダウンが、今日さらにあと2週間延長されて7月末までロックダウンと発表されました。でもこの発表の時に「少なくともあと2週間」って事だったので、きっと2週間では終わらないって事なんだと思います。あと4週間ロックダウンが延長されると発表になるのでは?って聞いていたので、刻んで来たな。って印象でした。きっと2週間後に、さらに2週間ってなると思われますが、ここはポジティブに考えるようにします。奇跡が起きて、2週間でなんとかなるかも?って、誰も考えてはいない様ですがね。。。あと4週間か、6週間ってところでしょうか。ほんま、コロナいい加減にしてくれ。

まぁ、ここは焦っても仕方がないので、家に居れば安全。って事で、引きこもり生活を楽しむ事にしました。友達に借りていたこの本を読み終わったのですが、もうこれ、めちゃくちゃ面白かったです。最近読んだ中で一番面白かった。

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パブロ・ピカソは膨大な数の作品を残していますが、おそらくこのゲルニカが彼の一番の代表作と言っても過言ではないと思います。私事なのですが、このゲルニカの実物をスペインのソフィア王妃芸術センターで見ているのです。調べてみたら、ゲルニカがアメリカのMoMAからスペインのプラド美術館に返還されたのが、ピカソが亡くなって8年後の1981年で、このゲルニカの絵の公開を目玉として開館したソフィア王妃芸術センターがオープンしたのが1992年。私がそこでゲルニカを見たのが1993年なので、安住の地を得て旅が終わったばかりのゲルニカを、その終のすみかとなった場所ソフィア王妃芸術センターで見る事が出来たのでした。1992年からは一度もゲルニカは動いていません。おそらく今後も動かないでしょう。

フランスのパリでピカソによって描かれたゲルニカは、戦争疎開と言う名目で長年ニューヨークのMoMA(ニューヨーク近代美術館)で保管され、ピカソが亡くなった後、平和になった彼の祖国であるスペインに戻って来たのです。その経緯など、この本を読んでいるとフィクションなのか、ノンフィクションなのかわからなくなってくるリアルさです。

 

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この本の面白さは、実在したパブロ・ピカソと、その恋人だったドラ・マールの時代と、もう一人の主人公、MoMAのキュレーター八神瑤子の生きる現代が同時進行で進んで行くところです。瑤子の時代にはあの9.11、アメリカ同時多発テロが起きるのです。ピカソは、「芸術は、飾りではない。敵に立ち向かう為の武器。」と言ったように、彼はこのゲルニカの絵に反戦のメッセージを込めたのです。未だに終わらない戦争。ピカソが生きていた時代にも、亡くなった今も世界のどこかで戦争は続いています。ゲルニカを見ることで、私達は戦争によって犠牲になってゆく尊い命は、いつも一般市民なのだと、その怒りと悲しみを新たにします。ピカソの想いが込められたこの絵の強さに、多くの人が感動を与えられるのだと思います。とても良く書かれた小説だったので、オススメです。

 

先日早朝ウォーキングした時の話。

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いつものようにフレッシュウォータービーチを通って、

 

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シェリービーチの先の岩の上から、

 

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ここからクジラを見たんですよ!今年初めてクジラを見ました。これから南の海に行く途中で、赤ちゃんクジラを連れてまた9月ごろにこの海に戻って来るんです。クジラさ〜ん、行ってらっしゃい〜!また帰って来てねぇ〜!

その頃にはロックダウン終わっていて、もっと遠くまでウォーキングに行ける様になっています様に!